指定廃棄物問題 環境副大臣が栃木県庁を訪問 町長との対話に意欲

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池田拓哉 小野智美
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 2011年の東京電力福島第一原発事故で発生した栃木県内の指定廃棄物を塩谷町で最終処分する国の計画をめぐり、環境省の務台俊介副大臣は24日、計画を拒んでいる見形和久町長との会談に意欲を見せた。県内では、国の計画を前提に、農家が保管する指定廃棄物を市町単位で暫定集約する動きがあり、進展に影響が出る可能性もある。

 務台氏は、副大臣就任のあいさつで県庁を訪れ、福田富一知事に「進展がなく申し訳ない。(塩谷町に)長期管理施設を整備するという環境省の方針は、今も変わらない」と述べた。

 福田知事は「対話の糸口を探る努力をしてもらいたい」と求めた。塩谷町に加えて周辺の住民も計画に反対し、県選出の複数の自民党国会議員が計画への賛否を明らかにしていない、と指摘。「大変厳しい状況だ」と伝えた。

 栃木県は、福島県に次いで指定廃棄物の保管量が多い。原発事故以来、北部の6市町(日光、大田原、矢板、那須塩原、那須、那珂川)で、農家123人が計2993トンを保管する状況が続いてきた。

 そんな中、那須塩原市が10月、市内分について、市営ごみ処理場での集約を開始。国や県は暫定集約の進展に期待するが、前提となる塩谷町での最終処分場計画が進んでいない。見形町長は15年、「候補地返上」を環境省に申し入れ、国との協議を拒んできた。

 務台氏は福田知事との会談後、記者団に「決めたことを責任を持って進める」と語った。一方、他県では複数の場所で継続保管するという方針に事実上転換した環境省の姿勢を問われると、「このやり方でなければならない、との決めつけはできない」とも述べた。(池田拓哉)

 24日、那須塩原市も訪れた務台氏に、渡辺美知太郎市長は「矢面に立つ自治体を国はしっかり支援してほしい」と求めた。指定廃棄物に対する市民の懸念は市へ届くことも伝え、「『国の責任でやる』としっかり示してほしい。ここでつまずくと今後は難しくなる。震災から10年以上。最善を尽くしたい」と話した。

 県内自治体では最多の農業系指定廃棄物を抱える那須町。平山幸宏町長は取材に対し、「那須塩原市で行っていることを国から町に報告し、町民に安心安全を与えるやり方を示してほしい」と語った。(小野智美)

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