灘の酒、海をわたる 江戸時代の樽廻船を再現

鈴木春香
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 灘の酒がかつて樽廻船(たるかいせん)で江戸に運ばれ人気を集めた歴史を再現しようと、灘五郷酒造組合などで作る協議会が23日、酒樽を積んだヨットを神戸市中央区の港から出航させた。28日に東京で荷下ろしされる予定だ。

 酒樽は23日、神戸・西宮両市長らが参加した出発式の後、ヨットに積み込まれた。地元ヨットクラブの2人が乗り込み、東京都港区の船着き場に向けて出発。28日には東京で到着式があり、灘の酒が一般にも振る舞われる予定だ。同組合の嘉納健二理事長は「(樽に使われている)スギの香りが移ったおいしい生一本を東京でふるまえるのを楽しみにしている」とあいさつした。

 組合によると、灘・西宮・伊丹の酒は江戸時代に関西・上方から送られた「下り酒」として江戸で好まれた。その輸送に重要な役割を果たしたのが樽廻船だった。昨年、そうした経緯を踏まえて「『伊丹諸白』と『灘の生一本』下り酒が生んだ銘醸地、伊丹と灘五郷」が文化庁の日本遺産に認定されたことをきっかけに、今回のイベントを企画したという。(鈴木春香)