岸田首相、ベトナム首相と連携確認 中国念頭に「深刻な懸念」表明

佐藤達弥
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 岸田文雄首相は24日、来日中のベトナムのファム・ミン・チン首相と首相官邸で会談し、中国が海洋進出を強める東シナ海南シナ海などへの対応で緊密に連携していくことを確認した。10月の岸田政権発足後、来日した海外首脳と首相の会談は初めて。

 会談後の共同記者発表で、岸田首相は「ベトナムは『自由で開かれたインド太平洋』を実現していく上で要となる大切なパートナーだ」と指摘。チン首相も「お互いを最も重要で長期的なパートナーとみなし、両国関係を新たな地平へ高めたい」と応じた。

 会談後に発表された共同声明では、両首相は中国を念頭に、南シナ海の現状を変更し、緊張を高める一方的な試みに「深刻な懸念」を表明。サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化に向けて両国企業の連携を促し、サイバーセキュリティーなどの分野で協力を進めることで一致した。また、日本からベトナムに約150万回分の新型コロナウイルスのワクチンを提供することも盛り込まれた。

 中国と南シナ海で領有権を争うベトナムに対し、日本は中国の海洋進出を牽制(けんせい)する面から連携相手として重視。9月に「防衛装備品・技術移転協定」を締結し、防衛協力を進める方針を確認した。岸田首相は今月、国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)出席で英国を訪問した際にチン首相と会談した。新型コロナのワクチンも、これまでに約400万回分を提供している。(佐藤達弥)