革はどうやって作られる?自然が育んだ伝統の白なめし革

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小川智
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 皮革生産枚数全国一の兵庫県。県内でも古くから製革業が盛んな中心地の一つが、市川が流れる姫路市の高木地区だ。ここで一時消滅の危機にあった「姫路白なめし革」が、地域の有志によって継承され、作られ続けている。

 白なめし革は化学薬品を使わずに、水と塩、なたね油のみで皮をなめす製法。千数百年の歴史があり、平安時代に刊行された「延喜式」に類似の革製造方法が記述されている伝統的ななめし技法だ。

 革は本来の色である乳白色で、柔軟で強いのが特徴。加工しやすく、戦国時代には武具馬具、江戸時代には大名や商人らが愛用し「文庫」と呼ばれる書類入れなどの革細工、現代ではかばんや靴など様々な生活用品に使われてきた。

 高木地区では、革の生産に適した様々な環境条件がそろっていたため、皮革産業が続いてきた。なめしに必要な水が得られる川や、天日干しに適した広い河原という立地条件。また瀬戸内気候の温暖で雨が少ない環境に加え、周囲に山があることで乾燥に適した風が吹き、塩やなたね油も近隣で生産されていた。優秀な熟練したなめし技術者が多くいて、姫路藩が藩財政のために、革の生産を奨励したことも発展につながったという。

 しかし、明治以降、短期間に大量生産できるタンニンやクロムなどを使ったなめしが欧米から広まり、白なめしは次第に衰退していった。

 高木地区でも白なめし革の継承者が1人だけになったことから、2000年に地元有志が「白なめし革保存研究会」を設立。その後、新敏製革所の新田眞大(まとも)さん(66)が代表を継承し、身につけてきた近代なめし技術の経験を生かして要所に機械を導入し、作業スピードを高めて生産性を上げ、品質も均一化して現代に合う技術に高めてきた。

 工程は大きく5段階に分かれ…

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