米の民主主義サミット、台湾招き中ロは排除 「断固反対」と中国反発
米政府が12月9~10日にオンライン形式で開く「民主主義サミット」に向け、米国務省は23日までに、招待する計110カ国・地域のリストを公表した。中国やロシアが排除された一方で、欧州や日本に加えて台湾がリストに名を連ねた。台湾を中国の一部と主張する中国は「断固反対する」と強く反発しており、米中の緊張が再び高まる可能性がある。
バイデン政権は中国やロシアを念頭に、「民主主義VS.専制主義」の構図を掲げて外交を展開してきた。民主主義サミットの開催は初めてで、権威主義に対する防御や汚職との戦い、人権尊重の促進がテーマになる予定だ。
民主主義や人権を外交の柱に掲げるバイデン政権が「最重要」と位置づけるイベントで、1年後には対面形式での第2回サミット開催を計画している。台頭する専制主義の動きに対抗し、民主主義がより良い仕組みだと内外に示したい狙いがある。
招待国は欧州が最多で、インドやブラジルといった大国も招かれた。中東からはイラクとイスラエルの2カ国にとどまり、エジプトやトルコ、サウジアラビアなどは含まれなかった。アジアではタイやベトナムなども招待されていない。欧州ではウクライナやポーランドは招待されたが、ベラルーシやハンガリーは入らなかった。
一方、民主主義が脅かされていると指摘されるフィリピンやパキスタンといった国々は招待されており、中国やアフガニスタン情勢を見据えた米国の戦略的な思惑がうかがえるとも指摘されている。
米政府は台湾について、独立…
【視点】バイデン政権による「民主主義のためのサミット」は、長い準備期間を経てついに来月に、まずはオンラインで実施されます。台湾からオードリー・タン政務委員(閣僚級)らが参加することが話題になっており、中国の反発が強いのは事実です(台湾の現役の閣僚級