超えられなかった「妊娠9週」 母子手帳に残した5番目の子への言葉

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神宮司実玲
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 8月下旬、沖縄県石垣市

 晴れ渡るなかで、生後2カ月の男の子が気持ち良さそうに抱かれていた。

 「うまれてきてくれて、パパとママの心が幸せになったよ」

 そんな気持ちで名付けた長男。夫婦にとって、前の子たちに見守られた「5番目」の子だ。

 最初の妊娠がわかったのは、2018年11月。

 「たーかー、来てー」。

 横目(よこめ)絵見衣(えみい)さん(34)は、自宅で妊娠検査薬の陽性反応をみて、夫の大翔(ひろたか)さん(34)を呼んだ。

 東京都内の学童保育で働いていた時の同僚だった大翔さんと結婚して、大翔さんの実家がある石垣市で暮らし始めて半年。

 結婚当初から、子どもがほしいと思っていた。

 すぐに地元の産婦人科でエコー検査をしたが、赤ちゃんを包む袋状の胎囊(たいのう)がみえない。

 医師から「また来週来てください」と言われた。

 子宮に正常に妊娠していなくても陽性反応が出ることも知っていたので、そわそわして過ごした。

 2回目の受診で胎囊がみえた。「次は、心拍ですね」。少し安心した。

 3回目。「赤ちゃん、みえないですね……」と医師は言った。

 エコー画像をみると、中が空っぽの、黒い胎囊のかたまりが映っていた。

 妊娠6週目。胎囊の中に赤ちゃんがいない「枯死卵(こしらん)」による流産と診断された。

 「誰でも流産する可能性はあります」と説明を受けた。

 「赤ちゃん、だめだった」

 待合室で大翔さんに伝えた瞬間、涙が出てきた。

 なぜ流産したのか。初めて聞…

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