ポスト・メルケル政権、12月発足へ 核禁条約にオブザーバー参加

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ベルリン=野島淳
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 ドイツで4期16年続いたメルケル政権を引き継ぐ新政権が12月上旬にも発足することになった。中道左派社会民主党(SPD)など3政党の連立協議が24日まとまった。気候変動対策で、現政権の目標を前倒しする意欲的な方針を掲げて変革を打ち出したほか、核兵器禁止条約へのオブザーバー参加を盛り込むなど、「左派色」もにじませた。

 SPDのショルツ氏は記者会見で「強いインパクトのある政治を目指す」と述べ、変化を強調した。

 9月の総選挙でSPDは、メルケル政権で大連立を組んだ中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)を破り、第1党になった。政権発足には、政策に大きな開きがある環境政党の緑の党と産業界寄りの自由民主党(FDP)を加えた連立が不可欠で、3党による話し合いの行方が注目されていた。連立協議に2カ月をかけ、3党が互いに歩み寄った。

 この3党による連立は初めて。現政権で財務相を務めているショルツ氏が、12月上旬の議会で次期首相に選ばれる見通しだ。

 合意内容によると、気候変動対策では「理想的には」との文言を残しつつ、2030年までに石炭火力発電を廃止する方針を示した。現政権の目標から8年前倒しする。FDPは気候変動対策の強化に慎重だったが、巨額の投資により産業の育成と両立する政策に位置づけられ、3党の合意を後押ししたとみられる。

 一方、全ての核兵器を違法とする核禁条約への対応でも変化を見せた。「同盟国と緊密に協議しながら、メンバーではなくオブザーバーとして参加し、条約の意図に建設的に寄り添っていく」とした。

 ドイツには米国の戦術核兵器が配備されているが、SPDと緑の党は選挙公約にオブザーバー参加を盛り込んでいた。

 同条約は1月に発効。来年3月に締約国会議があるが、核保有国は加わっていない。オブザーバーは会議の傍聴などができるが、日本は慎重だ。米国の「核の傘」の下にある北大西洋条約機構(NATO)加盟国ではノルウェーがオブザーバー参加を表明している。(ベルリン=野島淳

■ドイツの3党が連立協議で合…

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