夫・庵野秀明の「不思議な行動」と才能 安野モヨコは漫画で描く

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木村尚貴
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 アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズや、実写映画シン・ゴジラ」などの監督/総監督で知られる庵野秀明さん。過去最大の個展が東京・六本木国立新美術館で開催中で、入場者は約10万人を数え人気を集めている。2002年に庵野さんと結婚し、最も身近な存在としてその仕事ぶりや生活を見つめてきた、妻で漫画家の安野モヨコさんに、話を聞いた。

 ――庵野さんの仕事ぶりは、どのようにご覧になってきましたか

 カントク(=庵野さん)は、仕事のついでに生きているというほど仕事に夢中で、余暇を楽しむという発想は、私が提案しない限りなかったですね。積極性が生まれるのは仕事の時だけで、それ以外ではエネルギーを蓄電しているような感じです。

 ――お二人で出かけた時でも、庵野さんは出先で仕事に関係するような行動に出るとか

 2人で旅行に行っても、カントクは「ちょっと待ってて」ってスマホで撮りだすんです。里山の風景とか、朽ちているセメント工場とか、解体中のビルの工事現場とか電柱とか、「エヴァ」の戦闘シーンに出てくるような風景とか……。完全に仕事の一環ですね。

 お互いが写っている思い出の写真みたいなものはほとんどなくて、風景写真ばかりなんですよ。それで、ある時から撮影をしているカントクの姿が面白いなと思って撮り始めて、かなりの数になりました。

 自分のなかにこういう場所があるんだというイメージをためているんでしょうね。作品をつくるとき、そのたくさんの蓄積から合成したりそのまま使ったりして、世界を構築しているんじゃないかと思います。

 ――今年公開された「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、モヨコさんが、キャラクターの衣装デザインなどを手掛けていますし、逆にモヨコさんの作品のお手伝いを庵野さんがしているケースもあります

 それこそ、(コミックエッセーの)「監督不行届(ふゆきとどき)」では、カントクの日常をおかしく描かせてもらっていますし、アニメになった「シュガシュガルーン」では、オープニングの画(え)コンテを、カントクがささっと描いてくれたりしました。

 ――「監督不行届」では、庵野さんの不思議な行動が相当出てきますが……

 変な行動は、普段からたくさんあって。コーヒーカップとソーサーみたいに、お盆を手にしてその上にお茶わん置いたまま食べていたことがありました。指摘したら「ああ」って初めて気付いた(笑)。

 日本酒を手酌で飲もうとして…

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