中村哲さんの警備態勢に不備認める アフガン当局の内部文書で判明

[PR]

 アフガニスタン東部ナンガルハル州で2019年12月4日、人道支援NGO「ペシャワール会」の現地代表、中村哲医師(当時73)ら計6人が殺害された事件で、中村さんを守る警備態勢に不備があったとする内部報告をアフガニスタン当局がまとめていたことが分かった。報告を受けた州知事(当時)のシャーマフムード・ミヤヒル氏(63)が、朝日新聞のオンライン取材に応じて明らかにした。

 ミヤヒル氏が保管する報告文書は、現地語で書かれた6枚つづり。情報機関や警察、軍、州政府の合同チームが事件後、現場の職員などへの聞き取り調査をもとにまとめたという。

 文書は、殺害計画の存在に気づいた情報機関が警察などに脅威情報を伝えていたのに事件を防げなかった理由について、次のように指摘している。

 ▼情報機関がつかんだ脅威情報を、ナンガルハル州警察本部のテロ対策部門は深刻に受け止めていなかった。

 ▼州警察本部は一部の地区を除き、ほとんどの地区で中村さんの移動に合わせた警戒態勢を敷いていなかった。

 ▼中村さんの護衛6人を派遣していた内務省の部署は、州警察本部や情報機関に応援を求めていた(が応じてもらえなかった)。

 ▼周辺の検問は機能しておらず、犯人グループの逃走を許した。

 こうした経緯について、情報機関や警察は一度も会見を開かず、情報を伏せてきた。報告が指摘したような警備の甘さや連携不足が明るみに出れば、情報機関や警察の責任を問う声が上がることは避けられなかったとみられる。乗京真知