都市部人材の専門知識、地場企業で活用 佐伯市がマッチング事業

寿柳聡
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 地元の中小企業が経営課題の解決へ向け、都市部の大企業などで働く人から専門的な助言を得るためのマッチング事業を、大分県佐伯市が始めた。地元企業からすると、正社員として高い給与を払えない人材を、月単位の謝礼で戦力化できる仕組みだ。市は人材不足を補うことで地場産業が活性化できると期待する。

 近年、都市部の大手企業が副業を認める例が出てきている。国も厚生労働省が定めるモデル就業規則に副業・兼業についての規定を設け、後押ししている。

 佐伯市は、業務を副業人材を仲介するみらいワークス(東京都港区)に委託。同社のオンラインサービス「Skill Shift(スキルシフト)」には、本業の知見を生かした副収入を望んだり、移住まではできなくても地方創生や地域貢献に関心を持ったりしている人材が約7千人登録している。

 業務委託により、佐伯市内に本社や事業所がある企業はスキルシフトに無料で求人を出せるようになる。「海外進出したい」「新たな販路を開拓したい」など目的に応じた人材が見つかれば、月数万円の謝礼で助言や提案を受けられる。やりとりはオンラインが中心となる見込み。

 地元企業側は、専門性が高い人材に新規事業などへの挑戦を支えてもらえる。人材側は自らの経験や知見を生かした副業ができるといった利点がある。

 市の事業費は今年度の残り期間に330万円。みらいワークスは今月11日現在、全国五つの県や13市町村と副業人材活用で連携している。県内では佐伯市が初めてという。

 この事業には大分銀行と大分信用金庫も参加。それぞれ取引先企業にサービスを紹介したり、事業を実際に進めたりする場合のサポートをする。市も企業向けのセミナーなどを開催してサービス活用を促す。

 田中利明市長は「高いスキルを持つ人材が集まらないのは地方の切実な問題。フルタイムでは雇えない悩みを解決したい」。みらいワークスの岡本祥治社長は「地方創生の主役は地域の企業。都市部のプロフェッショナル人材がそれに伴走して支えていくかたちです」と話す。問い合わせは市商工振興課(0972・22・3943)へ。(寿柳聡)