大久保嘉人、阿部勇樹 日本サッカー支えた「谷間世代」引退の共通項

潮智史
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 Jリーグはシーズン終盤に入り、浦和レッズのMF阿部勇樹(40)やセレッソ大阪のFW大久保嘉人(39)が今季限りの現役引退を相次いで発表した。

 いずれも2004年アテネ・オリンピック(五輪)に出場したメンバーで、ひとつの時代の節目となりそうだ。

 五輪のサッカー競技には原則23歳以下の年齢制限が設けられている。アテネ五輪は山本昌邦監督が率い、阿部、大久保のほか、その後にA代表で10年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会などに出場するDF田中マルクス闘莉王、MF今野泰幸、MF松井大輔、DF駒野友一らが顔をそろえていた。

 00年シドニー五輪代表が、FW高原直泰、MF稲本潤一ら「黄金世代」と呼ばれていた選手たちが中心だったのに対して、アテネ五輪代表は「谷間の世代」とも呼ばれた。

 実際に五輪は1次リーグで敗退したが、彼らにとってはこのときの悔しさが、その後の成長を促したことは間違いない。

 阿部はW杯南ア大会で開幕直前に先発に抜擢(ばってき)され、粘り強い守りを体現した。大久保は本職ではない左MFで起用され、献身的にタッチライン際を往復。攻守に奮闘した。

 ともに、決して目立つ役割を担ったわけではないが、ベスト16進出に欠かせない存在だった。

 「1年前と今では変化、差がある」と衰えを引退理由に挙げた阿部に対して、大久保は「理想は、まだ動けるうちに辞めること。それが今なのかなと。幸せのまま終われる。悔いはない」と話した。

 引退模様は選手それぞれだが、共通しているのは、2人とも「まだやれる」と惜しまれながらピッチを去ることである。潮智史