サブサハラの「少なさ」の謎 世界のコロナ死者 数字から見えたもの

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神里達博の「月刊安心新聞+」

 この夏に起きた「医療崩壊」がまるで幻であったかのように、秋になると日本では急速に新型コロナの感染者が減った。この社会を1年半以上覆っていた緊迫感が、今かなり和らいでいるのを感じる。

 その減り方は本当に著しい。どこを探しても、このような現象が起きている場所はほとんど見当たらない。原因については、種々の説が提起されているが、いずれも決め手を欠く。専門家の誰もが首をかしげている、というのが実情なのだ。

 一方、世界全体で見れば、新規感染者の総数はしばらく減少傾向にあったものの、10月半ばからは増加に転じている。今、韓国やドイツは新規感染者数の最高記録を毎日のように更新しているし、ロシアやシンガポールでも、これまでで最も高い山がここ1カ月で生じた。そのため日本の専門家の多くも、ワクチンの効果が落ちてくるこの冬に「第6波」が来ることを心配している。

 一般に、システムの挙動は、関係する要素の数が増えれば増えるほど分析が難しくなる。またその個々の関係が単純な比例などではない、「非線形的」と言われる法則に支配されている場合、数学的な扱いはさらに厄介になる。

 そして「感染拡大」は、ウイルスと人類のさまざまなレベルでの相互作用の結果であり、明らかに「難しい問題」の部類に入る。

 実際、20世紀初頭に起きたインフルエンザパンデミック、いわゆる「スペイン風邪」も、世界で猛威を振るった後、ある時期に急速に収束したが、その正確なメカニズムは今もよく分かっていないのだ。

 とにかく、新型コロナは分からないことが多い。そこでとりあえず、昨年の1月下旬から今年の10月末までの統計データを使って、感染状況の「棚卸し」をしてみた。

 記事後半では、人口当たりのコロナ死者数の統計をもとに、世界の感染状況を「棚卸し」します。最も少ないオセアニアを「1」とした場合、「1・5」となるのはどこ? そして、「20」となるのは? 意外な結果を前に気づくこととは――。

 まず気になったのが、この病…

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