地球2周分を自転車で走った90歳 12年で達成、60km走る日も

水田道雄
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 島根県の山あい、邑南町に地球2周分、約8万キロを自転車で走破した男性がいる。今月4日で90歳を迎えた同町中野の農業、三千田(みちだ)峰男さん。自転車が生きがいだといい、自ら設定したコースを4千周するのが次の目標だ。

 三千田さんの日記には、その日の走行記録が克明に記されている。国道などを通り、アップダウンもある周回コース(22キロ)を町内に設定し、そのコースを何周したかなどを記入する。3年分が記録できる日記は5冊目に入った。

 午前中に出発し、3時間半から5時間はこぎ続ける。体の調子がいいときには1日2周、3周したこともあり、コースを外れて広島県三次市まで行ったこともある。

 1月から3月にかけては雪で出られないことが多いが、「病院に行ったり、豪雨で『不要不急の外出は控えてください』との町内放送があったりした日以外は、毎日出ている」。

 90歳を迎えた4日時点での走行記録は、3893周。距離に換算すると、8万5646キロに達した。記念に新調した幟(のぼり)には、走破した数字を刻んだ。

 もともと体は丈夫な方ではなかった。農業の傍ら、冬は出稼ぎで酒造りや警備員なども経験。70代のころ難病の間質性膀胱(ぼうこう)炎を患い、体力づくりや健康維持の一環として78歳から始めたのが自転車だった。

 乗り継いできた自転車は現在7台目。変速機もない、町内で購入した「ママチャリ」。雨がっぱを着てヘルメットをかぶり、低姿勢でさっそうとこぎ出す姿は地元の風物詩だ。

 健康に関する本を読みあさり、断食にも挑戦。足におもりを巻いての片足立ちも欠かさない。目標は登山家の三浦雄一郎さん(89)だという。

 7年前に亡くなった妻は「よく続けられるね」と、いつも励ましてくれた。走破した距離分は、1キロ1円に換算して交通安全協会に寄付もしている。

 三千田さんは「粘り強さは父親譲り。休むよりも何時間かかってもこなしたい。これからも無理をせず、こぎ続けたい」と語った。(水田道雄)