水を招いた中村哲さんの姿伝える ともに活動した中山さんの写真展

佐々木亮
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 アフガニスタンで医療や灌漑(かんがい)、農業支援に尽くし、2019年12月に73歳で凶弾に倒れた医師、中村哲さんの姿をとらえた写真展「水を招く」が没後2年を前にした25日、福岡市中央区今泉1丁目のイタリア会館・福岡で始まった。撮影したのは福岡市出身の写真家で京都芸術大学准教授の中山博喜さん(46)。01年4月から5年間、中村さんと活動をともにした。

 中山さんは大学卒業後、中村さんを支えたNGO「ペシャワール会」(福岡市)の現地ワーカーとして、中村さんが当時拠点としていたパキスタン北西部のペシャワルに渡った。知人の紹介だった。大学では写真を学び、国際支援には縁がなかったが、恩師から「誰もが行ける場所ではない。これも何かの運命」と励まされた。干ばつ対策の井戸掘りや会計事務を担い、合間を縫って写真を撮った。

 用水路建設に向けて予定地を歩く中村さんの姿や、通水後に仕上がりを丹念に確認する様子を撮影した。重機の運転席でたばこを手にひと休みする後ろ姿など、間近にいた人ならではの視点でとらえた。

 一緒に汗を流した仲間たちにもカメラを向けた。病院の看護師や検査技師、シャベルを手にした作業員、水門の門番一家……。資材に使う石を割る人たちは、はにかんでポーズを取った。苦労の中でも、みんなで力を合わせて働くことで笑顔も生まれる。そうした人となりが見えてくる。

 「医療も井戸掘りも用水路建設も中村さん1人の仕事ではなく、たくさんの仲間がいたからできた」と中山さん。当時のアフガン人の仲間が今、現地の活動を担う。「そうした仲間が周りに集まり、それを育てたのが中村さんのすごさ」と振り返る。

 撮りためた中から60点を選び、今年6月に写真集「水を招く」(赤々舎)を出版。写真展では、写真集未収録のものも加えて30点を展示した。

 12月5日まで。無料。11月28日午後3時からは福岡市早良区百道2丁目のももちパレスで中山さんの講演会がある。入場料500円で要予約。問い合わせはいずれもペシャワール会(092・731・2388)。(佐々木亮)