【21年九州場所12日目】横綱が明生に「無理」な投げを打った理由

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竹園隆浩
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 横綱照ノ富士が12連勝で単独首位は変わらず。1敗で追う大関貴景勝高安を下し、平幕阿炎も勝った。関脇御嶽海玉鷲、北勝富士の2敗勢がすべて敗れ、3敗は4人に。大関正代、隆の勝、佐田の海は勝ち越しを決めた。

注目の取組・力士を特集する「東西トーザイ」、八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)顔張った相手に気迫前面 心は冷静に 貴景勝 

 相手の強烈な張り手にも、今の貴景勝は熱くならない。冷静さを忘れず、己の攻めを貫いた。

 元大関の高安に立ち合いでいきなり張られて、踏み込みが止まった。だが、そこから両手突きで応戦。自らの張り手を交えながら、低い重心を保った。

 逆に高安が左から大きく腕を振ってきた瞬間を捕らえ、右から肩を突いた。バランスを崩した相手に横を向かせたのが勝因。落ち着いて後ろについた。

 取組後は、相変わらずの貴景勝節。自分の取り口を褒めるような表現は、決してしない。「自分が何をするか。稽古でやってきたことを出せるように、それだけを考えた」。押し相撲には稽古量が不可欠なことを知っているからこその言葉にも聞こえる。

 大関に上がるまでは、相手の懐に入ったり、出たりして間合いが空くと、左からの突き落としをよく使った。だが、ひざを痛めてスピードが落ちてからは相手を正面に置いて攻め抜くスタイルに変えている。今場所は軸がぶれず、下半身にも安定感を感じる。

 2敗力士が全て敗れ、優勝争いは事実上、無敗の照ノ富士と1敗の貴景勝、平幕の阿炎に絞られた。13日目はその阿炎との対戦に。こちらも離れて取る力士だが、手足が長く、明らかにタイプが違う。

 「普通にやるだけ」と繰り返した貴景勝が大関の意地をかけて、照ノ富士への挑戦権を取りにいく。(竹園隆浩)

(理事長が見た!)「押されても、押し返す」 たどりついた突っ張りの流儀

 13日目に照ノ富士との一番が組まれた御嶽海は、遠藤に食いつかれて3敗目を喫し、優勝争いから一歩後退した。八角理事長は、落胆したような声で言った。

 「負け方が悪いですよね。気迫が感じられなかった。場所も後半で、疲れが出てくると思うけど、やはり気力っていうのかな。欲がないっていうか……」

 一方、13日目に貴景勝へ挑む阿炎は1敗を守った。その相撲っぷりを八角理事長は高く評価する。

 「(今場所)いつも言うよう…

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