知育玩具「マグネットボール」にご用心 誤飲で内臓傷つける事故も

川見能人
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 「マグネットボール」と呼ばれる強力な小型磁石を使ったおもちゃについて、消費者安全調査委員会と日本小児科学会は25日、幼児には触らせないことなどを求める注意喚起を公表した。子どもが誤飲し、内臓を傷つける事故が相次いでいるという。

 同委員会によると、マグネットボールは直径3~5ミリ程度の小型のパチンコ玉のような磁石で、互いをくっつけて遊ぶ。ボールで好きな形を作れ、「知育玩具」としてネット通販でも販売されている。「マグネットキューブ」という角形のものもある。

 消費者庁と日本小児科学会には2017年度以降、幼児が誤飲した結果、内臓を傷つけてしまう事故が計10件報告されている。昨年5月には、当時3歳の女児の胃と小腸から計12個がつながった状態で見つかった。元々、ボールは胃と小腸に分かれていたが、腸管を挟んでくっついたため、挟まれた部分が壊死(えし)して穴が開き、つながったとみられる。同9月には、当時1歳の女児の小腸内で計5個がくっつく事案が発生。腸壁を挟んだ状態でくっつき、小腸に穴が開いた。いずれも開腹手術で除去したという。

 事故の原因について、同委員会はボールの一つひとつが小さく、子どもが誤飲しやすいことや、数が多いため飲んでも保護者が気づきにくい点を挙げる。通常の磁石より磁力が強いことも、臓器を挟んでくっつく要因だという。

 対策として、同委員会は、幼児にはボールを触らせないことや、誤飲が疑われる場合はすぐに医療機関を受診することを挙げる。中川丈久委員長は「まもなくクリスマスシーズンを迎える。危険性を周知することで、少しでも事故の再発防止を図りたい」と話している。(川見能人)

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