真相を知る?実行犯側近、逮捕後に脱獄 中村哲さん殺害事件

アフガニスタン情勢

乗京真知
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 アフガニスタン東部ナンガルハル州で2019年12月4日に起きた中村哲さん殺害事件で、犯行グループのリーダーとされるアミール・ナワズ・メスード容疑者の側近の男が逮捕されていたことが、捜査関係者への取材で分かった。側近は真相を知る人物とみられていたが、今年8月の政権崩壊に伴う混乱で脱獄したという。

 事件当時の同州知事で、後に国防副大臣を務めたシャーマフムード・ミヤヒル氏(63)が、朝日新聞のオンライン取材で明らかにした。

 ミヤヒル氏によると、アフガニスタン捜査当局は事件後、武装勢力「パキスタンタリバン運動」(TTP)のアミール・ナワズ幹部を容疑者と特定した。アミール・ナワズ容疑者は今年に入り首都カブールで別の事件を起こし、警備員の反撃で死亡したのだが、その際に側近が逮捕されたという。

 ミヤヒル氏によると、側近が中村さんの殺害現場に居合わせたかどうかは、はっきりしていない。

 側近を知るTTPメンバーによると、8月にカブールを制圧したイスラム主義勢力タリバンは、友好団体であるTTPの構成員たちを拘置施設から逃がした。側近は現在、東部クナール州に潜伏しているという。

 タリバン暫定政権で治安部門を担当する中堅幹部は、電話取材に対し「(側近の)居場所はつかめている」が、TTPとの関係性から「逮捕することは難しい」と話した。乗京真知