首相への階段、岸田氏の政治資金3.7倍 「SNSサポート」支出も
野平悠一
今年9月の自民党総裁選を制し、政権トップの座についた岸田文雄首相。26日公表の2020年の政治資金収支報告書からは、総裁候補として精力的に活動していた様子がうかがえる。その資金力は、自派閥を率いるようになった時に比べ3・7倍に膨らんだ。
岸田氏は1993年の衆院選で初当選し、自民党が政権に返り咲いた2012年に古賀誠元幹事長の後継として、伝統派閥の宏池会の会長に就任。安倍政権下で外相や党政調会長などを歴任し、党内外から有力な「ポスト安倍」候補と目されるようになった。
「禅譲」を期待していた安倍晋三元首相の退陣にともなう昨年9月の総裁選では、当時官房長官だった菅義偉前首相に敗れたものの、再挑戦した今年の総裁選で新総裁に選ばれた。
岸田氏の資金管理団体「新政治経済研究会」の収支報告書によると、派閥会長に就任した12年の収入は3593万円で、支出は4793万円だったが、以後、右肩上がりに収支ともに膨らんでいる。
昨年分の収支報告書によると…