第2回「産めなかったら結婚は…」向き合えぬがん治療、ハンドル握り泣いた

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後藤一也
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 子どもを産める可能性がある――。

 群馬県の30代の女性は2017年10月、がん検診で「妊娠と子宮頸(けい)がん」を同時に告げられた。

 元気も食欲もなくなり、周りが心配するほどだった。

 どの病院に行っても、中絶してすぐに子宮を摘出することをすすめられてきた。

 新潟大医歯学総合病院産婦人科の榎本隆之教授(65)から、おなかに赤ちゃんがいる状態で、子宮頸部を広めに切る手術を受けられると聞き、女性はようやく安心した。

 「赤ちゃんも産めるし、がんもとってもらえる」

 ただ、妊娠中の手術は難易度が高い。「流産する可能性もある」と榎本さんから言われた。

 妊娠中でなければ、子宮頸部を広く切る手術は、さまざまな病院でされている。

 だが、妊娠中は、おなかの赤ちゃんの成長を促すため、子宮に流れる血液量が増える。

 赤ちゃんを守るために、手術の際に子宮に向かう血流を止めることはできない。少しでも手技を誤れば、大出血になることもある。

 妊娠中に子宮頸部を切る手術は、全国の限られた病院でしかできない。

群馬県に住む30代の女性は子宮頸がんと診断されると同時に、妊娠していると告げられました。おなかの子どもに会いたい。でも、がんの治療をしながら妊娠を続けられるのか。葛藤の日々が始まりました。

 新潟大病院ではそれまで6人…

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