第78回【新聞と戦争・アーカイブ】戦時統制:2
【2008年2月26日夕刊3面】
「第一回発表はハワイ方面の戦況となる模様」
41年12月8日午前、朝日新聞東京本社の編集現場に、文書でそんな連絡が伝えられた。早朝すでに、太平洋戦争の開戦が発表されていた。
「第二九二号」「(午)前九時四十分」と書かれたその社内連絡文書には、「海軍から」という表題があり、「報道部発表以外は書かぬやう」という記事差し止めの指示も併記されている。
整理部員としてその場にいた加藤万治が遺(のこ)した、報道統制にかかわる当時の社内文書のうちの1枚だ。文書は膨大で、160点以上ある。
その日、当局からの通達は立て続けだった。
続く第二九三号は「本日より…