勉強のためカフェイン中毒…検視官が向き合う生と死、子どもたちの今

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聞き手・平岡春人
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 「ちょっと、体を見させてもらうよ」

 北海道警捜査1課の検視官、小畑貴弘(46)は、警察署の安置室で手を合わせた。10代半ばの少年が、検視台に横たわっていた。

 「生きたかっただろう。痛ましいな」

 遺体に外傷はない。自殺でもなさそうだった。その後の検査で、カフェインの中毒死と判明した。

 自室で外国製のカフェインの錠剤が見つかった。夜に学校の勉強に集中するためにネット通販で安価に購入したと考えられた。短期間で数十錠飲んでおり、適量を超えていた。

 「カフェインの危険性をわからないまま、ネットで気軽に購入して飲んだんだろう。便利だが、おっかない世の中になった……」

 2019年春、遺体から事件性の有無を調べる検視官になった。多いときは1日20体の遺体を見ることがある。

朝日新聞北海道版で掲載した連載「道警365日」。記事の後半では警察小説の第一人者、作家の今野敏さんが警察への期待や求めることを語ります。

 コロナ禍ではさらに神経をとがらせる。亡くなった人が新型コロナの感染を疑われた場合、検視官は防護服などを着用する。道警によると、今年1~10月に検視をした33人の遺体から新型コロナウイルスが検出された。

 損傷が激しい遺体に接するのは、すぐに慣れた。だが、子どもの遺体の検視は今もつらい。

 検視官は解剖に立ち会うこともある。「連れて行かないで」と、泣き叫ぶ親も何度か見てきた。

 小畑にも大学生と高校生の息…

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    内田良
    (名古屋大学准教授・教育社会学)
    2021年11月27日12時22分 投稿

    【視点】報道では「青少年の自殺=学校のいじめ」と関連付けられがちです。が、記事中の検視官の実感や、警察庁が毎年発表している自殺統計からも、自殺の要因は多岐にわたります。子供の犯罪やトラブルに対応してきた専門家の話を聴く限りは、学校のみならず家庭の影