960万だけじゃない年収ライン 10万円給付、間違いやすい3点

石川友恵
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 経済対策で大きな注目を集めた、18歳以下の子どもを育てる世帯向けの「10万円」相当の給付。政府は年内にも始めようと準備しています。実は、支給されるのは「現金10万円ではない」といった間違いやすいポイントがあります。三つをピックアップしました。

①「現金」10万円ではない

 10万円「相当」の給付となっている。現金5万円が支給され、残りの5万円分はクーポンとして渡される。クーポンは子育て関連の商品やサービスに利用できるもので、来春の入学・卒業シーズンに向けて支給する。貯蓄できないため、消費を促す効果が期待されている。ただし、各自治体の判断で現金に切り替えることができるため、給付の方法は住んでいる場所によって異なる可能性がある。

②年収制限は「960万円」とは限らない

 今回の給付では児童手当の仕組みを使う。口座情報などがあるため、すばやく支給していくことができる。給付には児童手当と同じ所得制限があり、世帯で最も収入が多い人を基準に所得制限をかける。さらに子どもの数などで異なる。

 政策の発表前には「年収960万円未満」という基準がさかんに報じられたが、あくまで「モデル世帯」の一例だ。これは養う家族が3人(子ども2人、年収103万円以下の配偶者など)の場合にあてはまる。養う家族が子ども1人の場合は年収875万6千円未満など、基準が一律ではないので注意が必要だ。

 やや複雑だが、子どもが中学生以下の場合は、「いま児童手当が満額支給されている世帯」ならば、今回も10万円相当が給付されることになる。

 またこの所得基準は、世帯収入の合計ではない。同じ世帯年収1千万円でも、共働きの夫婦で500万円ずつだともらえるが、単独で1千万円ではもらえない。子どもが4人以上の場合などはもらえる。

③高校世代は申請が必要

 児童手当は中学生までしか給付されず、仕組みを使うと16~18歳の子どもは、振込口座の情報などが準備できない可能性がある。中学生までは申請をしなくてもお金が振り込まれる「プッシュ型」になるが、16~18歳の子どもは申請しないと受け取れない。各市町村に申し込むことになるとみられる。このため実際の事務作業では、15歳以下の子どもを先行させる形で、年内に現金5万円を支給する。

 今回の生活支援では、別の「10万円給付」もある。収入が低く住民税が免除されている世帯に対して1世帯あたり10万円を給付する。申請はいらない。コロナ禍で困窮する大学生らには「緊急給付金」として10万円を支給する。経済的な理由で就学の継続が困難であることや、アルバイト収入で学費をまかなっていることなどを条件としている。(石川友恵)

給付の対象となる年収の目安

配偶者と子どもらの扶養人数の合計が……

▽1人→875万6千円未満

▽2人→917万8千円未満

▽3人→960万円未満

▽4人→1002万円未満

▽5人→1040万円未満

※配偶者は年収103万円以下の場合は扶養に含まれる