「多頭飼育崩壊」で衰弱死 譲り受けた犬、死なせた女性に賠償命令

米田優人
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 譲渡した犬が劣悪な環境で飼育され死んだとして、動物愛護団体の女性が、犬を譲った京都府八幡市の動物保護ボランティアの女性に約145万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、大阪地裁であった。横田昌紀裁判長は「劣悪な環境で犬を衰弱死させた」と認め、ボランティアの女性に約6万7千円の賠償を命じた。

 原告は、動物愛護団体「つむぎ」(三重県)代表の服部千賀子さん(61)。判決によると、女性は2016年10月、服部さんから譲り受けた犬に餌や水を与えず、動物病院で治療を受けさせずに死なせた。横田裁判長は、女性が動物を適切に飼育する能力があるように装って「犬をだまし取った」と指摘。犬の衰弱死で、服部さんが精神的苦痛を受けたと認めた。

 ボランティアの女性は昨年、引き取った多数の犬や猫を排泄(はいせつ)物や死骸を放置した劣悪な環境で飼育したとして、動物愛護法違反罪で略式起訴され、京都簡裁で罰金30万円の略式命令を受けた。横田裁判長は26日の判決で「代表が譲渡した犬以外にも、犬猫を衰弱死させたことがうかがわれる」としたが、原告への慰謝料に含めるべきではないと判断した。

「命の大切さ人間と同じ」、原告側は控訴へ

 判決後の会見で、原告側は、大阪地裁の判決が認めた賠償額があまりに低すぎるとして、控訴する意向を示した。

 原告の服部さんは「ご飯も水も与えられずに亡くなっていった犬や猫の気持ちを考えると、この判決はあり得ない。命の大切さは人間も動物も同じはずだ」と声を詰まらせた。

 被告の女性は20年以上前から犬や猫の保護活動に携わり、動物保護関係者の間で知られていた。だが、女性は犬や猫などが増えすぎて飼育できなくなる「多頭飼育崩壊」に陥っていたとみられる。服部さんは「(女性が)そういう人だと知っていたら渡さなかった」と憤った。(米田優人)