タイやアワビの煮付けも…自販機で自慢の味を提供 窮地に地元団結

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黄澈
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 三重県四日市市のすし店前に今月、県産の食材にこだわった料理を冷凍状態で販売する自動販売機が登場した。昨年からのコロナ禍で、飲食店だけでなく、食材を供給する地元の生産者らも苦しんできた。だったら、困難を一緒に乗り越えたい。そんな思いを込めている。

 自動販売機を設置したのは、加藤大志朗さん(33)。四日市市天カ須賀4丁目で、父が経営するすし店「竹寿司(たけずし)」で包丁を握る。導入には、いくつかのきっかけがあった。

 コロナ禍で、度々迫られた時短営業。売り上げの落ち込みに、加藤さんが本格的に始めたのがテイクアウトだった。「握りずしや弁当だけでなく、もっと多彩な料理を提供できないか」と考えた。

 これまで店では、真空低温調理という手法を採り入れてきた。下味を付けた食材を真空パックして低温で加熱調理し、その後、急速冷凍する。栄養素を壊すことなく、料理がふっくらと仕上がるため、煮魚など一部の料理に使ってきた。

 今年の6月ごろ、冷凍保存した料理を温めてパックのまま、持ち帰り用として客に提供したところ、「これはありがたい」と喜ばれた。加藤さんは「このやり方なら、汁気の多い料理でもテイクアウトに出せる」と気づいた。

 その後、冷凍食品を販売できる自動販売機の存在を知った。真空パックの料理と組み合わせれば、コロナ下でも、人と接触することなく、24時間販売できる。加藤さんは走り始めた。

 食材に地元産を使うことにこだわった。生けづくりなどに使う魚を定期的に持ってきてくれる県内の生産者からは「出荷できなくても魚は成長し続ける。餌代もかさみ大変だ」との窮状を聞いていた。第1弾は、県南部の熊野灘で養殖されているブランド魚「伊勢まだい」を使うことにした。しょうゆやみりんも県産でかためた。

 現在、冷凍自販機で出しているのは「伊勢まだい煮付け」「あわびの煮付け」「イカ里芋煮付け」「ぶり大根」、2種類の「サラダチキン」。サラダチキンは、学生時代にレスリングに取り組んだ加藤さんが現在、トレーニング時に食べているものだ。

 食を通じて知り合った人たち…

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