「群馬をeスポーツの聖地に」 全国初の部署、あの手この手で奮闘中

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星井麻紀
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 全国の自治体で初めて「eスポーツ」の名を冠した部署が群馬県庁にある。ミッションは「群馬をeスポーツの聖地に」。設置から1年半で、「聖地化」はどこまで進んだか。

 JR高崎駅から徒歩15分の場所にあるコンベンションセンター「Gメッセ群馬」。昨春に完成したこの施設が「聖地」の一つだ。今月14日には、13歳~19歳による全国大会(U19選手権)を開催。世界的に人気のゲーム「リーグ・オブ・レジェンド」で頂点を争った。

 大会の開催を支えたのは、昨年に県が新設した「eスポーツ・新コンテンツ創出課(eスポーツ課)」だ。今年は、昨年の第1回大会より10チーム多い71チームが集まった。1チームの編成は5人~6人。学校の枠組みに関係なく自由にチームを組めるのは、全国初という。

 優勝した「スターダスト田村」も、角川ドワンゴ学園N高校の生徒とインターネットで仲良くなったメンバーで結成したチームだ。リーダーのShakespeare(シェークスピア)さんも「仲のよいメンバーで優勝できてよかった」と語った。

「すごいコンテンツ」課長は期待

 「若い人をこれだけ呼び込めるのは、すごいコンテンツだ」。eスポーツ課の斉藤義之課長は語る。きっかけの一つは1万人収容の「Gメッセ群馬」が完成したこと。会議や学会だけでなくエンタメ系の活用法を探る中で、eスポーツに白羽の矢が立った。県もブランド力の強化策として、eスポーツ課を立ち上げた。

 斉藤課長によると、eスポーツには「高い集客力」「若者への訴求力」「性別や年齢、身体能力を問わず誰でも取り組める」「オンラインでできる」という四つの強みがある。これを生かし、地域創生や産業の育成につなげるのが狙いだ。

 まず力を入れるのは「eスポーツなら群馬」と評判になるような大会を開くことだ。U19選手権のほか、28日には実況者のナンバーワンを決める全国初の大会「全日本eスポーツ実況王決定戦」を開催。前日の27日には、5年ぶりに開催されるゲームイベント「Red Bull 5G」(レッドブル・ジャパン主催)も誘致した。

 町づくりと絡めた取り組みも行う。今年3月には、富岡製糸場の国宝「西置繭所」に完成したばかりの多目的ホールでイベントを実施。榎本義法・富岡市長らが「スーパーボンバーマンR」で対戦する様子を英語、仏語で配信した。

 年明けには、県内企業対抗リーグを新たに始める。障害者やシニア向けの体験会や、就職氷河期世代の就労に向け、eスポーツの知識を生かしたサイバーセキュリティー研修など、裾野を広げ土壌を耕す「あの手この手」を繰り出す。

 「ゲームをすると怒られていたけれど、褒めてもらえるなんて」。斉藤課長は昨年8月、前橋市内で開いた実証事業で参加した学生が言っていたのを思い出す。「eスポーツに市民権がある。それが群馬なんです」

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