渡辺えりさんが故郷で6年ぶりのコンサート 山形市

辻岡大助
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 山形市出身の劇作家・演出家で俳優の渡辺えりさん(66)が12月4日と5日、同市内で「夢見る力コンサート」を開く。県内の演劇やコンサートはコロナ禍でキャンセルが相次いできただけに、歌手の活動も続ける渡辺さんは「みなさんと一緒に『夢見る力』を共有し、同じ時を楽しみたい」と意気込んでいる。

 今春、所属事務所を退社し、自由に動き回れる個人事務所を設立した。年を重ねて「あと何年やれるか分からない」との思いが強まり、故郷で演劇や音楽文化を支援する機会を増やしていきたいという。

 故郷の劇場でのコンサートは6年ぶりとなる。披露する曲目は、まず、近しい人々が好きだった歌を選んだ。

 戦時中の学徒動員で東京の飛行機工場の旋盤工を務めていた父から空襲の恐怖を覚えた体験談を聞いたのは、30歳を過ぎたころ。「父がその時に死んでいれば、私は生まれていない」と戦争を強く意識した。そんな父がよく歌ったのがドボルザークの「家路」。母が大好きな演歌「舟唄」も曲目に加えた。

 家出同然で東京の演劇の世界に飛び込んだ後、父や母から届き続けたはがきを曲の合間に朗読する。

 山形西高校の演劇部で活動していたころに聴いたPYG(ピッグ)の「花・太陽・雨」も選んだ。萩原健一さんとともにダブルボーカルを務めた沢田研二さんのファン。「沢田さんが存在していなければ、今の自分はいなかった」

 山形西高校の演劇部で一緒に芝居を作り、上京後も自身の劇団を支えた親友は9年前に他界した。その親友が歌っていた浅川マキさんの「裏窓」を追悼の思いを込めて歌う。コンサートの第2部では、親友が好きだったジャズのスタンダードナンバーに自らが歌詞を付け、初めて披露する。

 映画「マルサの女」で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞したサックス奏者、本多俊之さんがスペシャルゲストで出演する。全席指定。開演は4日午後5時、5日午後2時。前売り券5千円、当日券5500円。問い合わせはコンサート会場の東ソーアリーナ(023・689・1166)へ。(辻岡大助)