ホンジュラス大統領選に台湾危機感 「中国と国交」で断交ドミノ懸念

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マイアミ=岡田玄 台北=石田耕一郎
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 台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権が、外交関係を維持する中米ホンジュラスで28日に予定される大統領選の行方に危機感を強めている。選挙戦で優勢な野党候補が、当選後の中国との国交樹立を公約しているためだ。蔡総統は退任を控えた大統領を台湾に招いて会談するなど、関係維持に腐心している。

 大統領選には15人が立候補しているが、事実上、与党・国民党のナスリ・アスフラ氏(63)と、セラヤ元大統領の妻で野党「リブレ」のシオマラ・カストロ氏(62)による一騎打ちの構図だ。

 2人は競り合ってきたが、10月、世論調査で3位につけていた野党政治家が立候補の取りやめとカストロ氏支持を表明。その後の世論調査で、カストロ氏の先行が目立つようになった。

 主な争点は汚職や治安問題で、有権者に外交はほとんど語られない。そんな大統領選に台湾が神経をとがらせるのは、カストロ氏が「当選したら中国と国交を結ぶ」と表明したためだ。

 台湾はホンジュラスを含む15カ国と外交関係を維持しており、8カ国が中米・カリブ地域に集中する。ただ、同地域では蔡政権が成立した2016年以降、中国の外交攻勢でパナマなど3カ国から断交されており、ホンジュラスの判断次第では断交ドミノを引き起こしかねない。

 親米国として知られるホンジ…

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