東日本大震災直後に発見の遺体、10年後に身元判明 新DNA鑑定で

宮脇稜平、奈良美里
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 東日本大震災直後に岩手県山田町で見つかった身元不明の遺体が、同町の竹内直治さん(当時78)と26日に判明し、親族に引き渡された。県警が身元不明遺体の特定を進めるため、今年度から本格的に導入したミトコンドリアのDNAを使った鑑定が特定につながった。

 県警によると、竹内さんは震災当時、妻と息子の3人暮らし。避難のため玄関を出たところで津波にのまれ、行方不明になっていた。遺体は2日後の2011年3月13日に町内で見つかったが、火災に巻き込まれて損傷が激しく、所持品もなかったことから、身元が分かっていなかった。

 ミトコンドリアは細胞内に数多く存在し、一つしかない核より、DNAを採取しやすい。今回は遺体の発見場所が自宅近くだったことなどと合わせ、身元が分かったという。

 50代の息子は県警を通じ、「父のお墓にはこれまで服を入れていました。遺体が父と特定されたことで、今回やっと骨を入れることができ、安心しました。震災から10年が過ぎましたが、ミトコンドリア鑑定などで身元が特定されることもあり、ご親族が行方不明になっている方には、希望をもってもらいたいです」との談話を寄せた。

 県内で震災遺体の身元が判明したのは昨年9月以来で、身元不明遺体は47体になった。(宮脇稜平、奈良美里)