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6波へ、つづく「臨戦態勢」 夏に重症患者あふれたコロナ病院のいま

有料会員記事新型コロナウイルス

枝松佑樹
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 今夏の新型コロナウイルスの感染拡大によって「災害級」の医療対応を迫られた病院ではいま、コロナ患者が大幅に減り、制限した一般診療も徐々に再開している。ただ、「第6波」に向けて「臨戦態勢」を維持しなければならず、もとの日常を取り戻すにはまだ時間がかかりそうだ。(枝松佑樹)

「使命もって働く」残されたカード

 11月24日、東京都立駒込病院(文京区)の4階にあるコロナ専用病棟。64床いずれも患者の姿はなく、廊下の明かりは消されて暗い。

 無人のスタッフステーション(ナースステーション)の壁には「使命感をもって働きたい」という看護師の自己紹介カードが貼られていた。

 コロナ専用病棟はほかのフロアにもあり、入院患者は8月に一時150人を超えた。それが11月24日時点で、3人にまで減った。

 コロナ対応の中核を担ってきた感染症科の福島一彰医師(36)はいま、週2回は外来に入り、エイズウイルス(HIV)や性感染症などの患者を診る時間が増えた。

 24日は発熱や腰痛を訴える70代の男性を診察し、今後、感染症との関連を検査することにした。

 「紹介状があるのに診察を待ってもらっていた患者にも、最近やっと来てもらうことができました」と笑顔を見せた。

 空いた時間は、駒込病院で診てきた2千人以上のコロナ患者の症例を分析している。「第5波」では、30~40代で重症化した割合が高かったことがデータから見えてきたという。

 「いま思い返しても、まるで災害対応でした」

重症者数、一気に3倍

 駒込病院は中等症患者の入院が中心だったが、第5波では、ほかの病院で対応しきれない重症患者も受けた。

 それまで同時に受ける重症患者は多くても4人だったが、一気に人工呼吸器数の上限12人まで増えた。

 毎日70人以上の感染者が救急車で運び込まれ、その場で福島さんらが症状の重さを判断した。

 「過小評価して夜中に急変しないかと、常に恐怖心との闘いでした」

 使える人工呼吸器は一つで、同じ重症度の患者が複数いるときに、だれに装着するのか。そんな選択を迫られた場合の対応方法についての検討も始めていた。

 一方、ほかの診療科は、職員や病床の一部をコロナ用に回したため、不急の入院や手術を約4割減らさざるを得なかった。

100床を空けて備える

 駒込病院では、第5波で得た教訓を第6波への備えに生かそうとしている。

 第5波は患者の増え方が急激だったことを踏まえ、感染者が少ない現在も約100床はコロナ用に空けたままにしている。感染が拡大すれば、さらに増やす。

 福島さんは「公立病院に求められる役割は大きい」と話す。

 また、感染拡大期には、コロナ患者の診療を経験した医師や看護師を中心に、一般病棟からコロナ病棟に呼び戻す計画だ。

来院を我慢、悪化した患者も

 重症者に対応できる職員を増…

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