決別、さようならお母さん 離婚した私に「ざまあみろ」と罵倒した母

柳沼広幸
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 虐待の被害者が経験を語り、対応策などを考える「子ども虐待防止策イベントin群馬2021」が27日、群馬県太田市東本町の太田市美術館・図書館で開かれた。被害者や市民、超党派の市議や県議ら約30人が参加した。

 県外から参加した女性は、母親の再婚相手から虐待された。「毎日殴られ、消えたかった」。弟への性的虐待をやめさせようと引き離したら体中殴られた。「自分も弟も殺される」と思い、強くなるために空手を習った。継父の暴力に受け身をとれるようになったが、「心はすり減った」。成人後も虐待がフラッシュバックし、苦しんでいる。

 別の女性は、家で笑ったことがなかった。親は高校の学費を払ってくれず、奨学金を借りて進学した。就職して手話を習い、「感情を伝える喜びを感じた」。聴覚障害者と結婚したが13年後に離婚した。母親は「ざまあみろ」と言った。ずっと罵倒し続けた母親は82歳になった。「あなたの葬式では涙は流さないよ。さようならお母さん」。決別の思いを語った。

 被害者の報告後、高崎市出身のフリーライター今一生さん(56)は、統計資料を使って虐待の問題を解説し、「親に子どもを虐待させない仕組み作りが必要だ」と訴えた。防止策として「義務教育で子どもに虐待を学ぶ機会を設ける」「子どもの緊急避難場所を増やす」「『父子手帳』を発行し、父親に人権や虐待を教える」「子どもが親権者を選べるようにする」などを提案している。(柳沼広幸)