夜をひさぐ…「黒歴史」を乗り越え、ハート形の島は生まれ変わった

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臼井昭仁
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 「島の名前を変えるしか……」。染みついた暗いイメージをぬぐい去るため、島民でさえ、そう考えていた時期があった。かつて、売春事件の摘発が相次いだ三重県志摩市の渡鹿野(わたかの)島。人口170人ほどの小さな島は、「黒歴史」を乗り越え、「恋人の聖地」に選ばれるまでに生まれ変わった。

 11月3日夕、暗闇の中、接岸した渡船から続々とジャージー姿の中学生たちが下りてきた。大阪府内の市立中学の3年生120人。2泊3日の修学旅行で2泊目が島にある旅館、福寿荘だった。従業員たちは「歓迎」の横断幕を持って出迎えた。

 同校によると、大阪に近いということで島での宿泊を決めたという。校長は「島の過去の歴史は聞いているが、子どもに悪影響は与える物は今はなく、心配する声は聞いていない」。

 的矢湾に浮かぶ周囲約7キロの渡鹿野島。江戸時代、大坂と江戸を商品の輸送で結ぶ船が避難や風待ちで停泊し、「風待ちの島」とも呼ばれる。

 そのため古くから多くの宿や遊興施設があった。対岸の渡船場から5分ほどのこの島で男性客をあてにした売春行為が目立つようになったのは1960年代半ばごろからだ。

 複数の島民がその歴史を教えてくれた。

サミットも影響、島の新たな一歩

売春と結びつけて語られることがあった島。その生まれ変わりの道は平坦ではありませんでした。記事の後半で島再生の過程を動画とともに紹介します。そこには、2016年に開催された伊勢志摩サミットも関係していました。

 島に渡ってきた女性が自ら売…

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