「黄身が白い」卵、高校生が飼育法確立 京都の有名ホテルでコースに

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小松万希子
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 京都で農業を学ぶ高校生たちが育てたニワトリの卵が、有名ホテルのレストランでコース料理の食材に使われることになった。最大の特徴は「白い黄身」。飼育法を試行錯誤した末にたどりついた色と味が、料理長に認められた。

 その高校は、京都市中心部から西へ約30キロの山間部にある京都府立農芸高校(南丹市)。府内で唯一、畜産コースがある高校だ。

 校内で乳牛や肉牛、ニワトリなどを飼育。生徒が中心となって家畜の世話や乳搾りに取り組み、畜産の基礎を学んでいる。

 「副産物」としての生乳は主に地元業者に卸し、卵は10個200円で生徒が買うことができる。校内の事務室まで出向けば、誰でも購入できる。

 ただ、近年は、農産物の加工や流通にも取り組む「6次産業化」が農業の流れ。農芸高も飼育だけでなく、卵や牛乳などを使った独自製品作りに力を入れるようになっている。

思いついた「他にないアイス」

 その一つが、昨年末から取り組む「真っ白なアイスクリーム」。どうせ作るなら、新鮮な牛乳と卵を売りにしつつ、他にないアイスにしたい。普通の卵ではアイスが黄色っぽい色になることに着目し、真っ白なアイスを「黄身が白い卵」で作ることを思いついた。

 思いつきを形にするのは大変だった。

 ニワトリのえさの約6割を占めるトウモロコシが、黄身の黄色さのもとになっている。そこでまず、トウモロコシを玄米で代用してみた。すると確かに、黄身はどんどん白色に。

 だが、引き換えに、ニワトリが卵を産む頻度が落ちた。2週間産まないニワトリも出て、アイスの心配どころではなくなった。

 生徒らは府畜産センター(綾部市)の助言を受けることに。すると、トウモロコシに含まれるリノール酸などの必須栄養素が不足しているのではと教えてくれた。「植物性油脂で栄養を補えるかもしれない」。このアドバイスに従って、リノール酸を含むサラダ油などをえさに混ぜると、産む頻度が改善した。

 混ぜる量を変えながら世話を続け、この9月にようやく1日1個の「白い卵」を産むように。飼育法を確立して「玄米タマゴ」と名付けた。校内に90羽いるニワトリのうち約30羽で生産に取り組んでいる。

 えさには福知山産の古米を使用。国内で出回る飼料の9割は輸入品で、価格高騰にあえぐ農家も多い。国産なら持続可能な養鶏が期待できるという。

目を付けたあのホテル

 この卵に目を付けたのが、1975年に京都駅そばで開業した「都ホテル 京都八条」(京都市南区)。客室数は京都で最大級。観光客やビジネスマンらに人気だ。

 ホテルの中華料理店「四川」の山崎泰寛料理長らは、府外から来る客にも京都のおいしい食材を知ってもらおうと、地産地消のメニュー作りに取り組んでいた。インターネットなどで府内の畜産農家を探すと「府立農芸」という言葉がよく目に入った。高校だと知り、興味を持った。

 この夏に関係者らが農芸高を…

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