「不法移民送り返す」 提案の英首相に仏反発 対策会議に英国招かず

パリ=疋田多揚
[PR]

 英仏海峡で移民ら27人が遭難死した事故をめぐり、フランスは28日に自国で開く欧州担当相会議から英国を排除すると決めた。英国に到着した不法移民はすべてフランスに送り返すよう主張したジョンソン英首相への反発からだ。

 対策会議はフランスが呼びかけたもので、ベルギードイツオランダが参加する予定。当事国である英国が不在なら、成果は乏しいものになりかねない。

 ジョンソン氏は遭難事故を受け、マクロン仏大統領あての書簡を25日夜に自身のツイッターで公開した。「英仏警察当局が共同でパトロールをする」ことに加え、「英国に渡ったすべての不法移民をフランスに送り返すと定める二国間協定を結ぶ」ことを提案。「そうすれば、密航ビジネスモデルが完全に壊れて渡航者は大幅に減る」などとつづった。

 不法移民を抱えたくないマクロン氏は26日、「真面目でない」とジョンソン氏に猛反発。28日の対策会議について「真面目な人々と議論する。英国については真面目に取り組むと決めたなら、そのあと考える」とあてこすり、英国を招かないことを決めた。

 英仏海峡をわたる移民や難民は両国関係の火種で、英国はフランスの対策が不十分との不満を募らせている。一方でフランスは、英国に沿岸での監視費用の負担を重ねて求めるなど、これまでも責任を押しつけあってきた。

 ジョンソン氏も自身が主導した欧州連合(EU)からの離脱のメリットに、移民対策を独自に強化できることを挙げていただけに、不法移民問題には敏感になっている。(パリ=疋田多揚)