ヤギは夏でも小屋が好き 外より不快、好む理由は? 鳥取環境大

長崎緑子
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 ヤギは夏のさなかでも、蒸し暑い小屋が好き――。そんな研究を、鳥取市の公立鳥取環境大の重田祥範(よしのり)准教授(局地気象学)らが英文の学術誌で発表した。温度と湿度を合わせた「不快度」は、日が照りつける屋外よりも高いのに、小屋の中で長い時間を過ごしていたという。

 研究のきっかけは、重田准教授が研究室がある建物の窓から外を眺めていたことだった。大学には「ヤギ部」があり、外には放牧場が広がる。強風でも雨の日でもフラフラと歩くヤギを見て、気象条件とヤギの好む環境との関係を調べることにした。

 調査は2019年の夏、秋、冬にそれぞれ6日間、昼間に実施。放牧場と小屋の中で気温や湿度、風速、日射などを観測する一方、ヤギ部の雌ヤギ5頭の首輪にGPSを装着し、時間ごとの滞在場所を調べた。

 その結果、夏はヤギが屋内で過ごす時間が61・8%で、屋外で過ごす時間の38・2%を上回った。

 家畜動物の暑熱(しょねつ)ストレス指標であるTHIでは、換気しにくい屋内の方が蒸し暑いのに、ヤギはより屋内で過ごしがちだった。秋や冬だと屋外で過ごす時間が長く、風速や日射とヤギが過ごす場所に関係性はみられなかった。

 「人は蒸し暑い場所は避けたいものだが、反芻(はんすう)動物のヤギは違うらしい」と重田准教授。反芻動物とは、一度食べたものを口まで吐き戻して何度もかみ、再びのみ込む動物で、反芻で多くの熱を生産してしまう。「暑さのストレスがあっても、自身の体力消費を抑制する必要があり、屋内で休息することを優先しているからかもしれない」としている。

 夏の実験結果が中心だったが、冬の厳しい寒さの中での行動を調べるため、11月末から3月ごろまで同様の研究を計画している。(長崎緑子)