名水の里カラカラ 地下水位が最低水準、降雨足りず井戸枯れる世帯も

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佐藤孝之
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 「名水の里」として知られ、約7割の世帯が井戸水を使って暮らしている福井県大野市で今月、地下水の水位が観測開始以来最低の水準になっている。10月の降水量が極端に少なかったことなどが原因とみられる。市は12年ぶりに地下水警報を発令して節水を呼びかけているが、水が出なくなった井戸もあり、市民生活にも影響が及んでいる。

 市によると、基準観測井(せい)としている春日公園(春日3丁目)の地下水位(地表からの距離)が今月4日に7・07メートルまで下がり、注意報を発令。9日に警報発令基準の7・50メートルに達したため、2009年12月以来となる警報に切り替えた。

 20日に1977年の観測開始以来最低だった8・00メートル(05年11月29日)を超えて8・06メートル、22日には8・22メートルまで下がった。降雨で多少回復し、25日現在7・57メートルとなっている。

 水位低下の原因に、市はまず少雨を挙げる。気象庁によると、10月の市内の降水量は57ミリで、同月では76年の観測開始以来2番目の少なさ。11月も中旬までまとまった雨はなかった。

 市によると、地下水の供給源は雨が約5割、河川が約3割、水田が2割弱。10月後半~12月前半は例年水位が低い時期で、そこへ記録的な少雨が重なった。

 市内の河川の水量も減った。県奥越土木事務所によると、市街地を貫く清滝川は10月下旬から一部が干上がり、魚の大量死も確認された。並行する木瓜(ぼけ)川も枯渇し、川底をさらした。

 真名川から農業用水を取水する施設の改修工事のため、10月19日から農業用水を断水したことも両川の水量や地下水の減少を加速したとみられる。県奥越農林総合事務所は、市の要請を受け、今月末までの予定だった断水期間を短縮し、22日から水を通している。

 市内は22~24日、計約80ミリの雨があり、川の渇水は解消した。ただ地下水位は警報基準を超えたままで、市は対策の一環として25日から、計40ヘクタールの田んぼに水を張る湛水(たんすい)を始めた。

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