気負い?緊張? オリックス打線なぜ不発 紙一重の敗戦を来季の糧に

佐藤祐生
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 夢は破れた。プロ野球SMBC日本シリーズ2021でオリックス・バファローズ東京ヤクルトスワローズとの激闘の末、2勝4敗で屈した。連夜の紙一重の戦いを勝ちきれず、25年ぶりとなる日本一に届かなかった。悔しい敗戦だった。同時に若い選手が多いチームは貴重な糧を得た。

 攻撃力の底上げが2年連続最下位から巻き返した理由の一つだった。レギュラーシーズンのチーム打率2割4分7厘はリーグトップタイ。その打線が本来の力を発揮できなかった。九回に勝利をもぎ取った第1、5戦こそ2桁安打を放って4点、6点を奪ったが、敗れた4戦は計6得点、1試合平均1・5点。適時安打はたった3本だった。

 吉田正尚が計27打数6安打2打点と相手バッテリーに封じ込まれたのが何より響いたが、周囲も状況を打開出来なかった。中嶋聡監督は第6戦後に言った。「本当に自分たちの普段の野球なのかと言えば、ちょっと違う気がした。気負いなのか、緊張なのか。思ったよりも動けず、そこをケアできなかった」

 4番杉本裕太郎は6年目の30歳だが昨季までの経験は乏しい。高卒7年目の宗佑磨、3年目の太田椋、2年目の紅林弘太郎ら第6戦の先発野手のうち10代と20代が6人を占めた。投手陣を含めても、ほとんどの選手にとって初めてのシリーズだった。

 軽快な守備でチームを救ってきた三塁手の宗が捕球や送球のミスを犯すなど、失策はヤクルトの倍の6を数えた。重圧を感じているだろうことは守備面からも垣間見えた。

 6戦中5試合が1点差での決着だった。中嶋監督は前夜の囲み取材で「悔しい」と3度も口にし、続けた。「発展途上のチーム。まだまだレベルアップできるし、(この敗戦を)これからの野球人生で良い方に向かっていけるような経験にしないといけない」。エース山本由伸は「真剣勝負を楽しめた。これから強いチームになっていけたら」と力を込めた。

 前回日本一になった1996年は、前年にヤクルトに日本シリーズで屈した。目立った補強もなく躍進を遂げたシーズンは幕を閉じたばかりだが、来季はこれまでと違った立ち位置と気持ちで迎えられるはずだ。(佐藤祐生)