「失敗した」監督がもたらした劇薬効果 京都サンガ、J1復帰へ
サッカーの明治安田生命J2第41節が28日、各地で行われ、ジェフユナイテッド千葉と引き分けた京都サンガが2位を確定させ、2010年以来12年ぶりのJ1復帰を決めた。京都はJ1湘南ベルマーレ元監督の曺貴裁(チョウキジェ)氏(52)が今季から監督に就任。J2最少失点の堅守をベースに勝ち点を積み上げた。すでにJ1復帰を決めていた首位ジュビロ磐田は、ザスパクサツ群馬と引き分けて勝ち点1を獲得し、優勝を果たした。
京都は本来の姿を取り戻していた。
引き分け以上なら自力で昇格が決まる千葉戦。攻守の切り替えは素早く、前線から相手を追いかけ回す運動量が復活した。
ゴールこそ奪えなかったが、勝ち点1を上積みし、12年ぶりのJ1の舞台をたぐり寄せた。
試合の数日前、曺貴裁監督は選手に本音を打ち明けた。
「俺はスーパーマンじゃない。12年間の歴史は背負えない。そんな力はない」
京都が最後にJ1を戦った2010年はわずか4勝、17位でJ2に降格した。
その年を含めたこれまでの低迷を打破するため、クラブが投じた「劇薬」が他ならぬ曺監督だった。
資金力が潤沢ではない湘南を3度もJ1昇格に導いた手腕は確かだ。しかし、19年夏に選手、スタッフへのパワハラ行為が発覚し、1年3カ月、Jリーグの指導現場から離れた。
傷を持つ監督、迎え入れたクラブ。双方にとって、結果が求められるシーズン。
その最終盤、チームは重圧に潰されかけていた。
クラブの「顔」として注目さ…
【提案】 ハラスメントや暴力的指導といった問題を起こしたスポーツ指導者は、活動停止や被害者への謝罪などの「みそぎ」を終えれば、どんどん指導現場に復帰していいと考えます。 一つは、一度の失敗ですべてが失われるということではなく、更生の機会は与えら