ピンクが好きでも苦手でも 「複数形」のフェミニズムアート

有料会員記事

田中ゑれ奈
[PR]

 「女の子文化」を体現した学芸員と「女の子写真」と揶揄(やゆ)された写真家。2人のキュレーターによる展覧会が、金沢21世紀美術館で同時開催されている。フェミニズムという同じテーマを扱いながら視点の異なる両展は、多様な立場を包括する「複数形」のフェミニズムの可能性を示す。

 「フェミニズムズ/FEMINISMS」展は、9人の作家の作品を通して日本のフェミニズムを捉える試みだ。担当は、自らを「ガーリー・カルチャーの受容者」と語る高橋律子学芸員。1990年代以降のフェミニズムがポピュラー文化と結びついた潮流であったことに注目し、「ピンクの獲得」という視点から展覧会の幕を開ける。

 ステレオタイプな女の子らしさとして忌避されがちなピンクを「好きと言える強さ」が、90年代日本の「第3波フェミニズム」の一側面だったと高橋さん。ピンクの服を着せられたユゥキユキの巨大な人形は、作家自身が「母親から与えられなかったピンクを取り戻す」ことで、母娘の関係を編み直す。他方、テレホンクラブのチラシと少女のイメージを組み合わせた、西山美なコのインスタレーションの猥雑(わいざつ)なピンクは、メディアを通して若い女性を消費する社会を告発する。

記事後半は、写真家・長島有里枝さんが企画したもうひとつの展覧会について。1990年代に男性評論家らから「女の子写真」とカテゴライズされた長島さんは当時、「フェミニスト」を名乗れなかったと語ります

 日本画家の木村了子は、美人…

この記事は有料会員記事です。残り1209文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!