【21年九州場所千秋楽】来年も、横綱が中心?「もちろん」

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竹園隆浩
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 前日に2場所連続6度目の優勝を決めた横綱照ノ富士が、自身初の全勝優勝を果たした。大関貴景勝との一番はのどわにのけぞる場面もあったが、反撃して押し出した。貴景勝は阿炎とともに12勝にとどまった。関脇御嶽海が11勝目。東西の前頭筆頭、大栄翔と若隆景が勝ち越した。

注目の取組・力士を特集する「東西トーザイ」、八角理事長がその日の相撲を語る「理事長が見た!」、力士らの取組後の声を届ける「支度部屋から」など…デジタル限定のコンテンツを含めた記事や、豊富な写真を連日報じていきます。

(東西トーザイ)近づいたのか、「後の先」へ 照ノ富士が作り出す横綱像

 初場所の大栄翔の平幕優勝で始まった今年は、名古屋場所で歴代最多45度目の優勝を全勝で飾った白鵬が続く秋場所後に引退。「白鵬時代」の終わりは、他の4場所を制した「照ノ富士時代」の幕開けを意味する。

 照ノ富士は、大関まではひざに負担をかけないよう前傾姿勢で「前に出る」自分の形にこだわった。だが、今は白鵬に似て相手を見極めて勝機を探る戦法が目立つ。優勝を決めた14日目の阿炎戦の後退も、相手を呼び込む作戦だという。11日目の逸ノ城戦では相手の左上手を切った。歴代の大横綱の常勝の技だ。

 さらに白鵬も憧れた、ファンが求める「攻めさせて受け止める勝ち方」まで出来るようになった。押し相撲専門の八角理事長(元横綱北勝海)は「自分には出来ない横綱相撲」と表現する。不滅の69連勝を持つ双葉山の極意、「後(ご)の先(せん)」に近いのかもしれない。

 本人は初の全勝には「理想に近づいているかな、とは思う」としたが、「自分的に横綱相撲というのは分からない。昔からやってきたことが、出来るようになっただけ」と話す。

 不安は、やはり持病のひざだ。様式美重視の土俵入りでさえも左右のサポーターを欠かさないのは、状態が良くはないことの自覚だろう。受けて立つ相撲は負担が積み重なる。爆弾の種火にならないか。

 上昇機運がコロナ禍と重なったので、他の横綱と違って昇進前から報道陣を含めて外部と直接、接する機会がほぼない。ある意味、土俵に集中するには持ってこいだった。それが解消された時、新たな重圧と感じることがありはしないか。

 他の力士に圧倒的な差をつけたいま、照ノ富士の敵は己の中にしかいない。(竹園隆浩)

(理事長が見た!)「来年は勝負の年」 物足りない〝実力者〟へ奮起促す 

 千秋楽を迎えた八角理事長は、まずはこの1年6場所、90日間の本場所を無事に乗り越えられたことに感謝の意を表した。

 「コロナ禍で大変な中、お客様がこれだけ来て頂いたこと、ありがたいです。この1年、本場所開催中は1人の感染者も出なかったわけですから。土俵の上も、感染対策も、みんなが頑張ってくれました。地方場所も、(7月の)名古屋場所では緊急事態宣言の中でも、開催出来た。このところ大阪では2年(昨年は無観客、今年は東京開催)、本場所が本来の形で出来ていないので、来年はお客様をお迎えしたい」

 土俵の話に戻ると、14日目まで照ノ富士と優勝を争った阿炎が、この日は隆の勝に完敗した。「実力と言えば、実力ですね。隆の勝は圧力があるから、両手突きだけではね。相手が『阿炎が引かない』と思ってくると、こうなる。分かっていても押せるようになれば、阿炎も本物でしょうね」

 明生が206キロの逸ノ城を…

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