世界最小のキウイ「さぬきキウイっこ」、一口で甘さいっぱい

多知川節子
【動画】手で割って食べられる香川県オリジナルのキウイ「さぬきキウイっこ」=多知川節子撮影
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 人の背の高さほどに整えられたキウイの木の棚に、小ぶりな楕円(だえん)形の果実が鈴なりに実っていた。

 品種登録されたキウイの中では世界最小という香川県オリジナルの「さぬきキウイっこ」。1粒は30~50グラム程度で一口サイズ。糖度は17~20度と高い。キウイは半分に切ってスプーンで食べることが多いが、これは手で割り、ゼリーのように吸っても食べられる。

 「かわいいでしょう。とても甘くて食べやすく、給食でも人気なんです」

 さぬきキウイっこの生産から出荷までを一元的に手がける香川県善通寺市の会社「キウイベリージャパン」の島田満沖社長(72)は目を細める。収穫は10月ごろ最盛期を迎え、冷蔵庫で貯蔵し、翌年2月までに順次出荷する。

 島田さんは、キウイ一筋35年余り。東京の高級果物店などで扱われる高品質のキウイ作りにこだわってきた。県と香川大が共同開発し、2014年に品種登録したさぬきキウイっこにも試験栽培から関わった。

 現在は、海産物入りの有機肥料や低農薬など、独自の栽培法で約3・5ヘクタールのキウイっこを育てている。ただ、土作りや貯蔵方法の確立がいまだ難しいという。「1本ずつ木と対話しながら育てるのが農家の役割。品質を守りながら出荷量を増やし、全国の子どもたちに食べてもらいたい」

 香川県はキウイのオリジナル品種が11種類あり、登録数では全国最多だ。昨年の栽培面積では、愛媛県の346ヘクタールなどに及ばないが、小さい県ながら58ヘクタールで全国7位に入る。知られざる「キウイ王国」だ。

 香川県農業生産流通課によると、温暖な気候でみかん栽培が盛んだったが、オレンジの輸入自由化などを受け、他県に先んじてキウイ開発に取り組んだことが背景にある。1987年に初めて品種登録した独自の「香緑」は今も人気だ。

 一方、2005年に登録した「さぬきゴールド」は、1個200グラム前後という世界最大級の大きさと、黄金色の果肉が特徴。それに対し、小型で無毛のシマサルナシとキウイを交配し、世界最小をめざしたのが、さぬきキウイっこだった。

 キウイっこの19年の栽培面積は約8ヘクタール、出荷量は約50トン。成分分析でビタミンEが一般のキウイより2倍多く含まれていることがわかり、今年11月からは栄養機能食品の表示をできるようになった。

 加工品も登場している。高松市の製菓会社「スミダ・リ・オリジン」は、フランス菓子のダックワーズに、フリーズドライにしたさぬきキウイっことホワイトチョコをまぜてはさんだ「さぬきキウイっこダックワーズ」を販売している。

 「小さくて皮をむくのが大変かと思ったけれど、冷凍したらつるっとむけたので行けると思った」と住田俊二社長(62)。「香川のキウイを推したい。定番で選んでもらえる菓子にできれば」と話している。(多知川節子)

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 〈キウイベリージャパン〉 香川県善通寺市を拠点に、さぬきキウイっこの生産から出荷までを一元的に手がける株式会社。「キウイのたまご」の商品名で、高松三越や関西の百貨店などで売られる。

 〈パティスリー・スミダ〉 スミダ・リ・オリジンが経営するグルテンフリーのスイーツ専門店。さぬきキウイっこダックワーズは4個入り税込み千円。高松市東山崎町184の13。水・日曜定休。午前10時~午後6時。電話087・840・7363