死を願う女子大生を誘い、首を絞め… 男が逃れられなかった「過去」

有料会員記事

新屋絵理
[PR]

 死にたいと願う女子大学生を自宅に誘い出し、寝ている間に首を絞めた――。他人の自殺を手伝うことで、40代の男が果たそうとした「目的」とは何だったのか。

 被告は今年はじめ、自宅アパートで女性を殺そうとしたとして嘱託殺人未遂などの罪に問われた。東京地裁であった4月の初公判で「間違いありません」と罪を認め、うつむいたまま涙をぬぐった。

 「死にたい」「殺してほしい」。検察側の冒頭陳述などによると、そんな投稿をツイッター上で見つけた被告が、投稿主にメッセージを送った。死を求めていたのは、19歳の女子大生だった。被告は「手伝います。寝ている間に首を絞めます」と提案し、都内のコインパーキングで待ち合わせ、その日のうちに自宅に女性を連れ込んだ。

 弁護人「女性が死にたかった理由は」

 被告「親の過干渉や束縛がひどくて、成人するまで精神的に持たないと言っていました」

 弁護人「睡眠薬で殺そうとしたのはどうして」

 被告「女性が『苦しくないように、痛くないように』というのを望んでいたからです」

 弁護人「他の方法を考えなかったのですか」

 被告「被害者が望まない方法ではやろうとしていません」

 被告によると、女性は被告宅で睡眠薬を2錠飲んで寝息を立て始めた。肩をたたいても反応はなかったため、被告は女性の首を絞めたという。

 弁護人「うまくいきましたか」

 被告「女性が起きてしまい、せきこんだので、やめてしまいました」

 弁護人「どうしてやめたのですか」

 被告「苦しくないようにしてほしいとのことだったので」

 殺害がうまくいかなかったあと、女性は殺されることに躊躇(ちゅうちょ)していた、と被告は説明した。女性は「どこか遠くでやり直したい」と話し、住み込みで働ける場所を被告とともにネットで探した。だが、数時間後には「やっぱり自信がない。死にたい」。睡眠薬で要望通りに殺せなかった負い目があった被告は、一酸化炭素中毒を起こす練炭を押し入れに保管していたことを思い出し、練炭を置いた居間に女性をひとり残したという。

 なぜ、他人の自殺を手伝おうとしたのか。

 被告は法廷で、過去の「あや…

この記事は有料会員記事です。残り1905文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【無料会員限定】スタンダードコース(月額1,980円)が3カ月間月額100円!詳しくはこちら

きょうも傍聴席にいます。

きょうも傍聴席にいます。

事件は世相を映します。傍聴席から「今」を見つめます。2017年9月~20年11月に配信された30本を収録した単行本「ひとりぼっちが怖かった」(幻冬舎)が刊行されました。[記事一覧へ]