自殺した検事の遺族、広島地検に公務災害申請 弁護士が会見

戸田和敬
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 広島地検公判部の男性検事(当時29)が2019年12月に自殺したことを受け、遺族が29日、公務災害を同地検に申請した。遺族側は「長時間労働の中で上司から強い叱責(しっせき)を受けた」と訴えているが、検察側は「死亡原因は不明」と説明しているという。遺族の代理人弁護士が広島市内で記者会見し、明らかにした。

 代理人の橋詰悠佑弁護士は、男性が自殺した当時、同じ広島地検公判部に検事として所属していて、昨年7月に退職した。橋詰氏によると、男性は19年12月10日、広島市内の自宅マンションで死亡した。死亡する約1週間前、上司の決裁後に「机をたたきながら『司法修習生以下だ』と言われた」と話していたという。男性の部屋には「もうたえられません」と書かれたノートが残されており、男性は知人へのLINEで「検事になったの間違ったかな」「色々疲れたわ」と送っていたという。

 検察側は内部調査の結果、「死亡原因は不明」と結論づけたという。両親は昨年1月、この説明に疑問を持ち、公務災害の申請を決意した。「話せば分かる人だったのに、なぜ強い叱責が必要だったのか。明らかにしてほしい」と橋詰氏に訴えたという。

 橋詰氏によると、男性は18年4月に公判部に異動後、月平均80時間以上の時間外労働に従事していた。100時間を超える月もあったといい、「肉体的、精神的疲労を蓄積させていた」としている。今後、法務省が調査し、公務災害を認定するかどうかを判断するという。

 遺族は「検察で二度と同じような出来事が起こらないよう執務環境の改善を願う」。広島地検は「ご遺族からの申し出を受け、当庁としてはこれに真摯(しんし)に対応してまいりたい」とのコメントを出した。(戸田和敬)

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