カンボジアのラナリット元第1首相が死去 フン・セン氏と確執、失脚

宋光祐

 カンボジアの故シアヌーク前国王の次男で、同国の第1首相を務めたノロドム・ラナリット氏が28日、滞在先のフランスで死去した。77歳だった。王室関係者が明らかにした。

 ラナリット氏は現シハモニ国王の異母兄。1993年に国連カンボジア暫定行政機構(UNTAC)の支援で実施された初の総選挙で王党派のフンシンペック党を率いて第1党となり、第1首相に就任した。しかし、第2首相を務めていた現首相のフン・セン氏との確執から失脚。97年に武力衝突に敗れ、事実上の国外追放になった。

 翌年には国王の恩赦で帰国したが、ラナリット氏の不在の間に同党は分裂して弱体化し、フン・セン氏との確執はその後も続いた。2007年には、党の資産を不正に売却したとして有罪判決を受けるなど、次第に政治的な影響力を失い、近年は表舞台から遠ざかっていた。

 地元メディアによると、18年に南部シアヌークビルで遭った交通事故で重傷を負ってからは、フランスに住んでいた。糖尿病を患っており、死因は病気だという。(宋光祐)