50年、3千万円かけ集めた資料 父の従軍記章なくした元教師の思い

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石橋英昭
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 ずらり並んだ旧日本軍の軍服、戦死した若者の遺品の数々……。宮城県石巻市の西のはずれ、元高校教師の佐々木慶一郎さん(74)が自宅で開く私設平和資料館だ。50年以上にわたって集めてきた「もの言わぬ歴史の証言者」の数は、約4千点にのぼる。日米開戦80年の12月8日を前に、関連資料をまとめて公開している。

 原点は幼い頃、戦争帰りの父親にこっぴどく怒られた記憶だ。父親の従軍記章で遊んでいて、なくしてしまった。

 18歳のころ、たまたま入った骨董(こっとう)店で、記章をはじめ軍隊にかかわる品が多数売られていることに、驚いた。「日本は敗戦国。こうした物は大事にされず、いずれ捨てられるのでは」。そう考え収集を始める。教師の給料からひねり出し、修学旅行先でも道具屋をのぞいた。最近はもっぱらネットオークションだ。

 費やした私財は約3千万円。自宅裏に別棟を建て資料館にした。やがて、伝え聞いた戦死者の親族が遺品を持ってくるようになる。代が変わり受け継ぐ人もなく、「平和のために役立てて」と寄贈してゆく。「だから、単なる美術館じゃないんです」。資料館に仏壇を置き、毎朝水とお茶をあげる。

 佐々木さんはいま、危機感を持つ。「たった80年前のことなのに、アメリカと戦争したことさえ知らない若者がいる。日本はなぜ、無謀な戦争に突き進んだのか。同じ過ちを繰り返さないよう、考える機会にしてほしい」

 今回は、真珠湾攻撃を報じる…

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