いつから、なぜ? 漁協のカツオ「横流し」内部調査で明らかにならず

山崎琢也
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 【静岡】不正は半ば慣習化していた――。焼津港で水揚げされたカツオを漁協職員や水産加工会社元幹部らが共謀して横流ししていたとされる事件で29日、漁協が内部調査の結果を公表した。窃盗は数十年続き、職員が私腹を肥やすための犯行もあったことが明らかになった。

 「組織として問題があったことは間違いない」

 調査に携わった相川洋介弁護士は記者会見でそう断じた。職員に対する聞き取り調査の中で「上司に相談しても無駄だと思った」「隠蔽(いんぺい)体質があった」などと話す職員が複数人いたとして、漁協の組織体質が窃盗の温床になったとした。

 報告書では逮捕・起訴された職員以外にも複数人が関わって、水産加工会社への横流しが行われ、見返りに報酬などを受け取っていたことが明らかになった。

 また、職員が自らの飲み会の費用や社員旅行での遊興費に充てるためにカツオを抜き取って加工会社に販売していたことや、2008年ごろから3年間、係長だった元職員の指示の下、職員らが共謀して係長の親族が経営する倉庫に横流ししていたことも判明した。

 係長らの抜き取りについては、12年に漁協幹部に内部告発があった。しかし調査に対し、職員らが否定したため対応を取らなかったという。

 今回の調査では、少なくとも20年以上前から犯行が行われていたことが明らかになった。一方で、いつから、なぜ抜き取りが行われるようになったのか、具体的な被害額・量などは明らかにならなかった。

 漁協は「再調査もありうる」と含みを持たせたが、漁協幹部が中心となった聞き取り調査のみで全容を解明できるかは見通せない。漁協の西川角次郎組合長は「失った信頼を取り戻すため、再発防止に取り組む」としたが、信頼回復への道筋は不透明だ。(山崎琢也)