熊本地震の震災遺構、崩落した旧阿蘇大橋を保存工事へ 被害を後世に

伊藤秀樹
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 2016年の熊本地震で崩落した旧阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)の橋桁を震災遺構として保存する工事について、県は22日、工事費や設計費に3500万円を計上する予算案を発表した。工事は22年度の完成を予定している。

 旧阿蘇大橋は黒川に架かる長さ206メートルのアーチ型の国道で、1971年に開通。16年4月16日未明の本震で崩落した。橋桁の一部(18メートル)が崖に残り、村は「遺構としてのインパクトが強い」と現状のままの保存を希望している。県は今春、地震の被害を後世に伝える震災遺構として残すことを決めた。

 工事は、崖に斜めに引っかかった状態の橋桁の上部をワイヤで固定。下部はコンクリートで固めて「ずれ」を防ぐ。詳細設計の後、着工する。

 県は「旧阿蘇大橋は地震の規模や被害の程度を人々の心に響かせ、できる限りありのままの姿で保存することができる貴重な存在だ」と説明している。(伊藤秀樹)