「やせ我慢がよかった」 人間国宝の小三治、貞水の追悼行事相次ぐ

井上秀樹
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 この1年で相次ぎ亡くなった演芸界の人間国宝を追悼する催しが、11月末に東京都内であった。

 25日は日本橋三井ホールで「柳家小三治師匠を偲(しの)ぶ会」と題し、小三治が出演予定だった落語会で弟子たちが座談会をした。

 春風駘蕩(しゅんぷうたいとう)のようだが本当は素早く動けた、との証言が次々と。柳家三三は「こっちが見てると急にゆっくり歩く。見えっ張りというか江戸っ子なんだね」、柳家三之助は「やせ我慢、いいなと思って見てた」と話した。柳家一琴は人間国宝に認定された際「『俺をネタにするな』と釘を刺された」と明かした。

 28日には西巣鴨の善養寺で「一龍斎貞水顕彰の碑建立式典」があった。一周忌に合わせ、菩提(ぼだい)寺に建てた碑を公開した。

 碑の台座には、張り扇が浮き彫りでしつらえてある。総領弟子の一龍斎春水によると、貞水は病院のベッドで上半身を起こした状態で眠りつつ、両手を動かすしぐさをしていたという。「頭の中で講談を続ける姿を見せていたと思う。その手に張り扇を持たせてあげたかった」と話した。(井上秀樹)