第2回みんなに「9000円」は届かない… 保育の現場、実態に合う加算を

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聞き手・中井なつみ
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 岸田政権は介護や保育、看護、障害福祉で働く人たちの賃金を3%程度引き上げる方針を掲げています。これらの分野における待遇の低さといった問題は改善されるのでしょうか。連載の2回目は、認可保育園「わかたけかなえ保育園」園長の山本慎介さんに話を聞きました。

山本慎介さんの三つの視点

1)私立認可保育園の委託費は、国の配置基準をもとに計算された金額しか支給されない

2)処遇改善の「1人あたり9千円」が、額面通り保育士らに渡される園は少ないだろう

3)各園が実際に配置している職員数に応じて支給されるような仕組みを整えてほしい

「1人あたり9000円」、ミスリードに

 ――政府が保育士らの賃金を引き上げる方針を掲げたことをどう見ていますか。

 岸田文雄首相が衆院選の目玉公約としてきた経済対策の中で、保育士や介護職、看護師らの賃金引き上げが議論されること自体はたいへん意義のあることだと思っています。

 ただ、言われているように、今回の対策で「来年2月から、保育士の賃金が月額給与の約3%にあたる『1人あたり9千円』上がる」というのは、多くの園の実態に合っておらず、ミスリードになりかねない、と思っています。

 ――「ミスリード」とは、どういうことでしょうか。

 たとえば今、わかたけかなえ保育園の3~5歳児は、各年齢6人ずつを混合した1クラス18人の編成ですが、保育士2人を配置し、状況に応じてほかの保育士も保育に入っています。さまざまな安全基準に従いながら、保育所保育指針に基づく「一人一人の子ども」に応じた保育を実施するためには、これが必要な職員配置だと考えています。

 しかし、国が定める保育士の…

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