米中新冷戦下で逝った経済学者コルナイ 「東」崩壊に理論的な力

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編集委員・吉岡桂子

惜別 コルナイ・ヤーノシュさん 経済学者

 「コルナイを読んだか」

 東西冷戦時代、社会主義体制下で経済の苦境にあえぐ旧ソ連や東欧圏の知識人たちが、そんな言葉を交わしていた。主著「反均衡の経済学」(1971年)「不足の経済学」(80年)などを通じて計画経済の構造的な欠陥を指摘した。ベルリンの壁に続いてソ連が崩壊し、時代を動かす理論的な力となった。

写真・図版
書斎に北京で買った水墨画を飾っていたコルナイ・ヤーノシュさん=2014年3月6日、ドナウ川に臨むブダペストの自宅書斎、ベリョシュ・スィラード氏撮影

 80年代から米ハーバード大で教壇に立ちながら、ハンガリーの拠点も捨てなかった。東西の往来を重ねつつ、社会と政治、経済を分断せずに、システム丸ごとを研究の対象にした。

 社会主義経済の特徴として用…

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