核合意をめぐる米国とイランの間接協議が29日、ウィーンで5カ月ぶりに再開した。イランが推し進める核開発の行方を左右する重要な交渉だが、先行きが見通せないまま協議の継続が決まった。
間接協議は4~6月に開かれたが、イランは6月の大統領選を理由に再開を拒んできた。前回までと同様、今回も米・イランを核合意の他の参加国(英仏独中ロ)と欧州連合(EU)が仲介し、制裁の解除と核開発の制限をめぐる妥結点を探る。
イランのバゲリ外務次官はこの日の協議後、朝日新聞などの取材に「前向きだった」と述べた。「主題はまず米国による違法な制裁の解除だという我々の立場を示し、他国の同意を得た」と説明。「米国は二度と合意から離脱せず、新たな制裁を科さない保証が必要だ」と強調した。
他方、EUの欧州対外活動庁のモラ事務次長は報道陣に「今後数週間で重要なことが実行できそうだ」と述べつつ、「切迫感はある」と焦りをにじませた。
2015年締結の核合意はイ…
【視点】この問題の隠れた主役はイスラエルです。米国はイスラエルの利益代表のような機能を果たしています。イランの一部にはイスラエルを地図上から抹消することを本気で考えている人たちがいます(アフマディネジャード元大統領はその1人です)。イランが核兵器を